
社員が使える法人カードを用意しておけば、経理業務を最大限に効率化することができます。
こちらの記事では、社員用カードを作成するメリットとデメリットを紹介しています。さらに、導入時に気をつけたいポイントも詳しく解説します。そのほか、社員用カードを作成するためにおすすめの法人カードも紹介しています。
社員用の法人カードを検討している経営者様にとって参考になる内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
追加で社員用の法人カードを作成するメリット
経営者様が法人カードを1枚所有していると、上限はあるものの複数枚の社員用カードを作成することができます。この社員用カードを作成することで3つのメリットを得ることができるので、ご紹介していきます。業務効率を高められる
まず挙げられるのは、業務効率を高められるということです。経営者様が何らかの費用を立て替えたとして、いちいち精算するのは非常に面倒です。その点、法人カードを1枚持っておけば全ての支払いを法人カードに集約させることが可能です。そして、このメリットは社員用カードを作成する場合にも言えることです。
例えば、取引先や顧客とカフェなどでの打ち合わせが多い企業の場合、経費を都度精算するのは経理担当者にとっても大変なはず。しかし、社員用カードがあれば、経費精算を毎月1つの明細書にまとめることができますし、誰が、どこで経費を使ったのかも簡単にわかるようになります。
さらに、役員や経営者様直属の信頼できる部下へ高額の経費支払いを任せる際も、社員用カードを持たせることで経費精算がスムーズにできるので、事業に費やすべき時間の確保にも繋がるはずです。
(仮に毎月の経費精算業務に1時間かかったとすると、年間で12時間、5年で60時間にもなります。)
このように、法人カードの追加カードを社員用に作成することには、経理業務の効率を最大まで高められるというメリットがあります。
法人カードのポイント取りこぼしを防ぐ
続いて、社員用カードを作成することで、法人カードを使うことにより付与されるポイントの取りこぼしが防げます。個人用のクレジットカードよりも支払い金額が大きくなる法人カードは、付与されるポイントもかなりのものになります。しかし、社員が経費を現金で立て替えていては法人カードにポイントはつきません。
もし、経費精算の機会が多い社員の法人カードを作成しておけば、その社員が使う全ての経費にポイントをつけることが可能です。そのポイントを活用することで会社の備品を購入することもできるので、非常にお得です。
お金にまつわるトラブルを防げる
社員が経費を建て替えるという仕組みの場合、領収書のもらい忘れが心配です。さらに、経理担当者が領収書を回収し忘れたり、社員に対して精算金を払い忘れたりとトラブルの可能性はたくさん。そういったトラブルも、社員用カードを作成しておけば防ぐことができます。社員はいちいち自分の財布から現金を支払わなくてもいい上、トラブルを防げるのであれば会社にとっても利益は大きいですよね。
デメリットや気をつけたい点
社員用カードには様々なメリットがあることをお伝えしましたが、経営者様の中には「社員用のカードなんて持たせたら不正利用される可能性があるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。実はその通りで、法人カードを社員用に作成することにはデメリットや注意しておくべきポイントが存在しています。社員用のカード発行を検討されている経営者様は申し込み前に必ずご確認下さい。
不正利用されないようにきちんと管理を
社員用カードを複数枚作成すると、法人カードに発行される利用明細も膨大になります。「大丈夫だろう」と甘く見ていると痛い目にあうかもしれませんので、社員用カードを作成する場合には必ず法人カードの利用明細をきちんと管理・確認するようにしましょう。
よくある例としては、法人カードを持たせた社員が個人的に使用するものを購入、経費精算していたという事が挙げられます。金額が少額だと、つい見逃しそうになるところです。
このようなことも考慮し、毎月発行される法人カードの利用明細をきちんと確認し、不正利用がないか確認するフローを作成
しておきましょう。併せて、社員用カードを作成する前に、必ず経理部のトップと、法人カード導入についてよく話し合うことも非常に重要です。
法人カードのポイントやマイルを勝手に使用されないよう注意
日頃から法人カードの利用状況を把握していれば大丈夫ですが、ポイントやマイルに関しても確認を怠らないことが重要。社員用のカードを作成していると、法人カードに付与されたポイントを不正に使われてしまう可能性があります。社員用カードを作成する前に、法人カードで貯めたポイントの使い道などを社内規定として決めておくとトラブルを防ぎやすくなります。
また、本当に信頼の置ける社員にだけ社員用カードを持たせるのも、トラブルを未然に防ぐ一つの方法でしょう。誰に社員用法人カードを持たせるのかという点は、後述で詳しく解説します。
社員用カードにも年会費がかかる?
経営者様の使用されている法人カードによっては、年会費が必要になるものもあります。それは社員用カードでも同じことが言えます。年会費の有無はカード会社によって異なりますが、法人カードの年会費が高額になるほど社員用カードの年会費も高くなる傾向にあります。「便利だから」といって社員用カードをたくさん作ってしまうと、無駄な年会費がかさんでしまう可能性もあります。
必ず、社員用カードは必要な枚数だけ作成するようにしましょう。
どの役職の社員にカードを持たせるべきか
法人カードから社員用カードを作成する時に考えるべきなのは、「どの役職の従業員に社員用カードを持たせるか」です。法人カードを持った経営者様の直下にいる部下に社員用カードを持たせるのなら、ある程度安心ですよね。しかし、一般の社員用にカードを作るのは少し不安が残ります。
これについては会社の経営体制や規模によっても変わってくるので、一概に何が正解とは言い切れません。ただ、間違いなく言えることは法人カードを適正に管理する人間が必要だという点です。
もし営業担当者が各地を飛び回っている場合、社員自ら航空券や新幹線のチケットを手配することもあるでしょう。このような場合には、一般の社員用にも法人カードを作成する方が合理的です。とはいえ、常に法人カードを携帯させていると不正利用のリスクも高まります。
そこでおすすめなのは、営業部の上司に社員用カードを持たせ、航空券や新幹線のチケットの発行はその上司に任せることです。そうすれば一般の社員は法人カードを不正に使うことができなくなります。
社員用カードの審査は?個人信用情報は関係するの?
法人カードのメリット・デメリットを解説してきましたが、そもそも社員用カードを作成する際の審査はどんなものだろうかと疑問に感じることはありませんか?もし社員の個人信用情報がブラックであった場合、社員用カードは作成できるのでしょうか。結論を言えば、法人口座から引き落とされる法人カードであれば上記の場合でも問題なく作成することができます。
そのため、社員の個人信用情報は基本的に法人カードの審査には関係ないと考えておけばいいでしょう。とはいえ、そもそも個人信用情報がブラックになっている社員用に法人カードを使わせるのはちょっと心配ですよね。悪用のリスクを考慮すると、できるだけ個人信用情報がブラックの社員に法人カードは使わせない方が望ましいでしょう。
ただ、社員がブラックかどうかはプライバシーに関わってきますし、トラブルの火種になりかねませんので、普段の勤務態度や仕事の成果から判断するのが賢明でしょう。
社員用カード作成におすすめの法人カード
それでは最後に、社員用カードを作成するのにおすすめの法人カードを紹介します。今回は、「社員用カード作成可能枚数」「社員用カードの年会費」という2つの要素を重視しておすすめの法人カードを見ていきます。
JCB法人カード

まず、おすすめするのは、「JCB法人カード」です。
ほとんどの法人カードでは「社員用カードは3枚まで」などの規定があるのに対して、JCB法人カードなら社員用カードの作成枚数に上限はありません。そのため、一般の社員にも社員用カードを持たせたい場合に選ぶべき法人カード。
嬉しいことに、JCB法人カードは親カードの年会費が1,250円と格安で、社員用カードにも同額の年会費となっています。もちろん年会費が必要になるのはデメリットですが、「社員用カードをとにかくたくさん作成したい」という経営者様には最適な法人カードと言えます。
オリコ EX Gold for Biz M

次におすすめする法人カードが、「オリコ EX Gold for Biz M」です。
この法人カードは、ゴールド券面なのに年会費が2,000円と格安であることが特徴。社員用カードは3枚までとなっていますが、年会費が無料なのは嬉しいポイントです。
オリコ EX Gold for Biz Mは、付帯サービスが充実している上ポイントも貯めやすいおすすめの法人カード。なお、個人事業主向けの「EX Gold for Biz S」については社員用カードを発行できないので注意しましょう。
ライフカードビジネスライトゴールド

ライフカードビジネスライトゴールドは、先ほど紹介した法人カードと同様にゴールド券面なのに年会費が2,000円と安い法人カード。
社員用カードは3枚まで作成でき、年会費無料なので費用がかかる心配はありません。ライフカードビジネスライトゴールドには空港ラウンジなどの付帯サービスだけでなく、会計ソフトや弁護士相談などの特典が付いています。
また、審査にも通りやすいと言われているので、設立直後の会社には特におすすめ。ちなみに、ライフカードビジネスライトゴールドにはポイントシステムがありますが、通常券面だとポイントは付かない点は注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか。社員用カードを作成するメリット・デメリットや注意点をまとめました。社員が法人カードを使えることは、業務効率化の観点では非常にメリットが大きいです。一方、社員が自由に法人カードを使える場合には、不正利用のリスクも高くなってしまいます。
社員用カードを作成する際には社内ルールをきちんと決め、リスクと業務効率のバランスを見極めて作りましょう。さらに、「どの役職へ社員用カードを持たせるか」「法人カード1枚に対して何枚まで社員用カードを作成するのか」などのルールも決めておくとスムーズです。
まだ社員が法人カードを使うシステムを整えていない経営者様。適正に使用する環境さえ整っていれば非常に便利な社員用カードを、ぜひ検討してみてくださいね。