
法人カードにはキャッシュバック制のものも存在していることをご存知でしたか?多くの法人カードではポイント制が採用されていますが、キャッシュバック制のカードには異なる特徴があります。
こちらの記事では、キャッシュバック制の法人カードの例や、メリット・デメリットなどを紹介しています。キャッシュバック制の法人カードの導入を検討している方にとって有益な情報をお届けするので、ぜひ最後までご覧ください。
ポイント制とは違う!キャッシュバック制の法人カードがある
ほとんどの法人カードで採用されているポイント制。もはや法人カード払いの特典はポイント制が当たり前ですが、中にはキャッシュバック制という珍しい法人カードが存在していることをご存知でしょうか?まずは、キャッシュバック制が導入されている法人カードを紹介してまいります。
JCBビジネスプラス法人カード

最初に紹介するのはJCBビジネスプラス法人カードです。
JCBビジネスプラス法人カードは、会社経営者や個人事業主でも申し込めるキャッシュバック制のカード。利用金額に応じて、最大3%のキャッシュバックを受けることが可能です。
キャッシュバックの対象となるのは、旅費交通費として支払った金額のみ。つまり、通常の仕入れや通販での備品購入などはキャッシュバックの対象には含まれていません。
毎月のキャッシュバックには15,000円という上限が設けられているので、無限にキャッシュバックされるわけではありません。
JCBビジネスプラス法人カードについて、より詳しい情報を知りたい経営者様は、下記ボタンのリンク先でご確認ください。
首都高ビジネスカード

次に紹介するキャッシュバック制の法人カードは、首都高ビジネスカードです。
こちらも先ほどと同じくJCBが提供している法人カード。キャッシュバックが導入されている法人カードは、まずJCBのものと考えていいでしょう。
こちらの法人カードでも、キャッシュバックの内容は先ほどと変わりません。旅費交通費として支払った利用金額に応じて、最大3%がキャッシュバックされます。
毎月の上限金額についても、同じく15,000円。先ほどの法人カードと異なるのは、主に付帯サービスや特典面です。首都高ビジネスカードの付帯サービスや特典について詳しく知りたい方は、次のページでご確認ください。
シェルビジネスカード

最後に紹介するキャッシュバック制の法人カードは、シェルビジネスカードです。
こちらもJCBが提供する法人カードであり、キャッシュバックの対象は同じく旅費交通費です。毎月の上限金額も同じく15,000円に設定されています。
ただし、キャッシュバックにおいてこの法人カードがこれまでの2枚と異なる点は1つだけあります。それは、昭和シェル石油のサービスステーションで支払った金額については対象金額が2倍で計算される点です。
つまり、昭和シェル石油で5万円分のガソリンを給油すれば、2倍の10万円がキャッシュバック額計算の対象になるということです。昭和シェル石油でガソリンを給油する機会が多い会社なら、この法人カードを導入するメリットはより大きくなります。
仕訳は雑収入が基本!会計処理の方法を解説
キャッシュバック制の法人カードを導入する際に気にかかるのは会計処理についてです。法人カードを使ってキャッシュバックされたお金は、どのように仕訳すれば良いのでしょうか?法人カードのキャッシュバックは、基本的に雑収入で処理しておけば問題ありません。場合によっては受贈益で処理されるケースもありますが、このあたりは会社のルールに従って処理するようにしましょう。
ちなみに、法人カードのキャッシュバックで得たお金の消費税は非課税となります。これは、サービスを提供した対価として発生した収益ではないことが理由です。ただし、法人税の対象にはなることだけは覚えておきましょう。
キャッシュバック制のメリットとデメリット
利用金額に応じてキャッシュバックされるクレジットカードは魅力的。まして、経費として支払いの金額が大きくなる法人カードであれば、なおさらです。こちらの項目では、キャッシュバック制の法人カードを導入する2つのメリットと3つのデメリットについて解説してまいります。
メリット①使い道に困らない
キャッシュバック制の法人カードを使用する1番のメリットは、使い道に困らないことです。ポイント制の法人カードだと、使い道がなくて困ってしまう場合があります。その点、キャッシュバック制の法人カードで現金が戻って来れば、どんな使い道にも活用することができます。
メリット②旅費交通費の還元率が高め
次に挙げられるメリットは、旅費交通費の還元率が高めになる点です。先ほど紹介したキャッシュバック制の法人カードは、どれも最大3%のキャッシュバックを受けることができました。ポイント制の法人カードだと1%の還元率でも高めなので、3%のキャッシュバックを受けられれば還元率はかなり高くなります。
デメリット①会計処理の手間が増える
ここからは、キャッシュバック制の法人カードのデメリットを解説していきます。1つ目のデメリットは、会計処理の手間が増えてしまう点にあります。キャッシュバックされた現金は経理上の処理を行う必要があるので、経理担当者の手間が増えてしまいます。
デメリット②旅費交通費以外の支払いが無駄になる
次に挙げられるデメリットは、旅費交通費以外の経費精算が無駄になってしまうことです。ポイント制の法人カードであれば旅費交通費以外の支払いもポイント付与の対象になりますが、キャッシュバック制であればそうはいきません。旅費交通費の還元率が高めであっても、そのほかの経費精算を考慮するとポイント制の方が還元率は高くなる可能性があります。
つまり、キャッシュバック制の法人カードは旅費交通費の支払いにのみ使用するのが賢い使い方です。
デメリット③税金がかかる
キャッシュバック制の法人カードにおける最大のデメリットは、還元された現金に税金がかかってしまう点です。先述したように、キャッシュバックで得た現金は法人税の対象となります。一般的な法人税は30%程度ですから、1万円のキャッシュバックがあっても法人税が引かれて7,000円しか手元に残りません。
そう考えると、キャッシュバック制の法人カードのメリットはそこまで大きいものではないですね。
節税を考えるとポイント制の法人カードにするべき
キャッシュバック制の法人カードの最大のデメリットは税金がかかってしまう点だとお伝えしました。一方、キャッシュバックではなくポイントで還元された場合には税金がかからないとの見解もあります。(ポイントに関する明確なルールはない状態のため)そのため、毎月高額な旅費交通費を使っている経営者様以外は、キャッシュバック制のカードよりもポイント還元率が高い法人カードを選ぶ方がメリットは大きくなります。
ただ、「キャッシュバックではなくポイントだと使い道に困るのでは?」と感じている経営者様もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、金券や提携ポイントへ移行すればキャッシュバックに近い形で還元してもらえます。
多くの法人カードでは、貯めたポイントをTポイントやAmazonギフト券、商品券などに交換することができます。さらに、選ぶ法人カードによってはマイルに交換できるので、飛行機での出張が多い経営者様にとってもメリットがあります。
これから紹介するポイント制法人カードは、どちらも還元率が高い上マイルに交換することが可能です。キャッシュバック制の法人カードよりお得なケースも多いので、ぜひご検討ください。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド

最初に紹介するキャッシュバック制よりもおすすめなポイント制の法人カードは、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドです。
ポイントの使い道が豊富なので、キャッシュバックに負けず劣らずの魅力があります。こちらの法人カードは還元率が0.3%〜1.0%と高め。キャッシュバック制カードの「最大3%」には負けますが、旅費交通費以外もポイント付与の対象になることを考えると納得できます。
さらに、有料のポイントプログラムへ登録すればANAマイルへの還元率を3%にすることが可能です。「キャッシュバックよりも、ポイントを貯めてマイルへ交換したい」と考えている経営者様は、選んでおいて損はない法人カードです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドは年会費が36,300円(税込)と高額な点がデメリット。しかし、還元率が高い上に付帯サービスも充実しているので、年会費に見合うだけのリターンを期待できます。
キャッシュバック制の法人カードには知名度が低いものも多いので、ステータスはそれほど高くありません。しかし、この法人カードならステータス性は抜群。キャッシュバック制の法人カードでは得られない優越感を味わえます。
まとめ
キャッシュバック制の法人カードの例や、メリット・デメリットについて紹介しました。キャッシュバック制の法人カードは現金で還元される点が魅力的ですが、支払先が限られてくることや税金がかかる点はキャッシュバック制のデメリット。
ポイント制の法人カードを選んでも、提携ポイントや金券・商品券など何らかの使い道はあります。そのため、よほどキャッシュバック制の法人カードに魅力を感じない限りはポイント制のものを選んでおく方が賢明でしょう。
今回紹介したポイント制法人カードは、どちらも還元率が高い上、貯めたポイントをマイルへ移行することができます。旅費交通費の利用が多い経営者様にもおすすめなので、ぜひ検討してみてくださいね。